2019年6月6日

特殊清掃・手袋の必要性

清掃道具

現代の社会問題となっている孤独死

ご遺体は検察による「検視」が行われた後、警察らによって回収される。

我々は孤独死の起こってしまった現場を綺麗に現状復帰する。

孤独死や特殊清掃についてはこの記事にて解説してあるので、読んでいただきたい。

WEBサイトで漫画が読める「めちゃコミ」と言うサイトはご存じでしょうか。

今流行りの漫画サイトで、無料で読めるものもあり、多数の漫画が読める。

この中に「不浄を拭うひと」と言う漫画があり、特殊清掃士の仕事内容を柔らかく漫画で描いている。

この中で消毒や感染症予防の必要性と霊感について書かれているが今回は感染症予防ついて少し詳しく解説する。

特殊清掃を行うに当たって必要な装備は

・防護服

・ゴーグル

・マスク

・手袋

である。

全てを装備した装着例

まず防護服は必ず何があっても必ず必要で、清潔なのが条件

そのため毎回使い捨て

これはもったいないが、感染症を防ぐためには欠かせない。

防護服は外からの菌類から守ってくくれる代わり、こっちの体温も外へ逃がしてくれないため、ものすごく暑い。

ましてや特殊清掃の依頼が増えるのは、5月から9月ごろの暑い時期なので、作業中は常に滝のような汗が流れる。

窓を開けて涼みながら作業してね

と、依頼主様に言われることがあるが

特殊清掃中は窓や玄関を無暗に開けてはならない。

それはとんでもない数のハエが家の中から出てしまい、近隣住民に不快な思いをさせてしまうからである。

基本的には先に殺虫剤を噴霧しておき、作業に入るのがベターだがそれでも箪笥の下などに1000匹ほどいたケースもあり、あまりアテにならない。

結局無数のハエが飛び交う中作業し、最後に殺虫が安牌である。

ゴーグル

ゴーグルは床に残っていた体液や、物に染み付いた体液が

万が一目にも入るのを防ぐために着ける。

ゴーグル自体はそこまで着けていて不快でもないので特筆することも、特にはない。

ゴーグルに関しては、軽い現場なら着けないこともあるが、やはり着けているのと着けないのでは安心間が違う。

マスク

マスクは個人的にはかなり重要だと思っていて、結核で亡くなった方の家など主に空気感染するウィルスから守ってくれる。

個人的に と付けたのは上記の理由ではなく「死臭」から守ってくれるからである。

死臭とは、亡くなった方から発せられるご遺体独特の臭いや、体液が暑さで蒸されることによって、独特な臭いになる。

それを死臭と呼ぶ。

死臭は納豆、ヨーグルト、お酢、糞尿を混ぜて炎天下の

中放置したような臭いで、くさいと言うよりは、生理的に受け付けない臭いだ。

中には慣れている作業員や、そもそも感じない作業員もいる。作業中はそれでもいいし、むしろそのほうがいいのだが、原状復帰の後の消臭確認では鼻が利かないことには、どこに臭いの元があるのか特定が困難になる。

したがって鼻は利く方がいい。

しかし、かなり臭いのある現場で窓も開けられない時の方が多い中、鼻が利くまま作業するのは過酷である。

そんな時にある程度臭いから鼻を守ってくれる。

もちろんデメリットもある。

汗によってマスクの中が水たまりのようになり呼吸が苦しくなってくるのだ。

それよりもメリットの方が大きい為、筆者はどんな現場でもマスクは必ず着用している。

手袋

手袋と聞いてどんな手袋を想像するだろうか。

特殊清掃で必要になってくる手袋は、医療用手袋及びその類に使用されるもので、手から感染症を守ってくれる訳割りを持つ。

手は作業員にとって一番酷使する部位であり、最も危険にさらされる部位である。

特殊清掃では必ずと言って良いほど、床や亡くなられた布団、カーペットに体液が付着している。

体液の付着したカーペットと布団

布団やカーペットを袋に入れ、運び出したり、床にこびり付いた体液類をスクレパーでこそぎ落とし、薬剤で拭き掃除する。

全て手で行う。

一番感染症のリスクがある作業は必ず手で行う必要がある。

これだけの作業を医療用とは言え、薄い手袋一枚で行って大丈夫なのか。

答えはNOで作業時は、この上から厚手のゴム手袋もします

しかしあまりにも厚手の物だと繊細な作業ができず、もどかしさから外してしまいたくなる。

それでは意味がないので、体液痕などを触る際のみ2重で後はゴム手袋とグリップの手袋の2重ですることのほうが多い。

特殊清掃にはこのような装備が必要で、無暗に立ち入ることすらリスクが伴う。

我々スターチスは、誰かがするしかないこの仕事に誇りを持って挑んでいます。